「あれ、碧?」

名前を呼ばれて振り向けばそこにはユウキがこちらを見て居た。



新境地なコンビで3日間!
3日目 - 碧×佑紀



「ユウキ…?」

同じ世界(芸能界)で俺と同じ様に歌う彼の名前はユウキ。
最近話題のCross Heavenの元メンバーな彼は、今年の春にソロデビューする事になったのだ。
確か女優、坂下 柚紗主演のドラマの主題歌だった気がする。

「珍しいね、こんな所で会う何て。碧も待ち合わせ?あれ、紅は?」

へにゃ、とサングラス越しにでも分かる位にユウキは笑う。
…にしても顔隠す為にサングラスを着けてるんだろうけど、その隠し方は典型的で反対に目立つ様な…。

「紅を待ってるんだよ。先に行っとけ、って言った癖に言った本人が未だ来ないんだよね。」

溜息混じりにそう言えば陽気に笑いながら言う紅を思い出す。
本当に一体何処で油売ってるんだか…。

「ユウキは?ユウキこそ待ち合わせ?」

「うん、俺も待ち合わせ。でも中々来ないんだよね。広いから間違えたのかも。」

ユウキが俺の横に立って後ろの壁へと凭れかかる。
ユウキの言う通り俺達が居るこの建物は広く、外見も大きい為外から見ても目立つ。
だから待ち合わせスポットには丁度良いんだけど広いと擦れ違いが多い。
普段から俺達もここは待ち合わせには使わないんだけど仕事の都合上ここになったのだ。

「…。」

「…。」

妙な沈黙がその場に漂う。
1分程度だったのにその沈黙は長く感じれて…。
でもその沈黙を破ったのは俺の口からだった。

「…最近はどうなんだよ?」

「…え、何が?」

「何か良いことでも有ったのかな、って思って。最近表情(かお)が生き生きしてるから。」

テレビで見掛ける度に見え隠れする笑みの下の表情。
一時は暗い事が多かったのに最近は生き生きとして居る。

「恋人が出来たんだよ。だからかも。」



へへ、とはにかみながら笑うユウキ。
その表情からしてそれは本当の事だろう。
俺の場合はそう言う風にはなれないから胸が少しちくりと痛んだ。
どんなに願っても叶わない願い。
もう"それ"には慣れた筈なのに時々胸が痛む。

「碧は恋人とか作らないの?」

「…俺は良いよ。今はフリーで居たいから。それに紅が一人になるから。」

「本当仲良いよな、碧と紅って。それに兄思いの弟迄居て紅は幸せなんじゃないか?」

「そう?そんな事無いよ。」

仲が良い、それは俺達が最も言われる言葉。
俺が紅と居たいのは紅が好きだから。
紅がどう思ってるかは分からないけれど、一緒に居るのは俺の自己満足にしか過ぎないんだと思う。
"恋人"、になれなくてでも諦める事が出来なくて、諦めた後の寂しさを紛らわす為の行為。
何だか紅の事を考えたら紅に会いたくなって来たような…。
それにあれから随分待って居る気がする。

「…さて、と。俺、そろそろ行くな。何時まで経っても来ないし。」

「確かに遅いよね。うん、またね。碧。」

ひらひらと手を振りながらユウキは俺を見送れば俺はその場を後にした。
暫く紅を探して建物を歩けばそこに探して居た人が…。
長くて赤い髪。
その髪の持ち主は誰かと話して居る様だったけどそんなの構ってられない。
紅に声を掛けようとした途端、紅が俺の方に振り向いた。

「碧。」

「紅…、何処行ってたんだよ。探したんだからな。」

「ごめんごめん。」

俺の姿を見て嬉しそうに笑う紅。
こんな風に笑うなら早く会いに来て欲しいものだ。
そうすれば紅と一緒に居た男が笑って居る。

「…さっきの質問だけど…俺は幸せだよ。大丈夫、紅もそんな風に笑えるから幸せだよ。後は横の碧も居るし。」

「…そっか、有り難う。」

…?
紅と男の会話の内容が上手く掴めない。
でも紅は笑って礼を言えば俺を連れてその場を立ち去った。
これで良い、のかな…?

「良かったのか?何か話してたんじゃないのか?」

「良いよ、碧と会えたから。」

にっこりと笑って俺にそう言う紅。
そんな風に笑われたらますます好きになってしまいそうだ。
…いや、嫌いなんてならないけど。

(にしても今迄こんな所に居てどうしたんだよ)

(いや、実は迷っちゃってさ。携帯も充電切れちゃって…)

(…(ば、馬鹿だ…!))

...The End

あとがき


バトン最終日!

最後に限って長いとか…いう、ね…|||OTL


今回は初日とリンクしてみました。

いや、この3日間皆繋がってるんだけども…!


拍手有り難う御座いましたっ!


2011.03.30

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