「郁、朝だよ。」
「んっ…ん、うん…?」
突然差し込む朝の日差し。
恋人の陽介さんがカーテンを開けたんだろうけど…。
突然起こされた俺にとっちゃ眩しいでしかなかった。
本当はもう少し寝たかったんだけどな…。
…眠い。
外から鳥…雀の鳴き声が聞こえた。
三話題で一週間バトン
No.6 貴方と一緒
「おはよ、郁。良く眠れた?」
にこりと笑って陽介が俺の頭を撫でる。
俺の頭を撫でる陽介の手が心地良い。
その心地良さに一度開いた目も閉じてしまいそうだ。
「こら、寝ちゃ駄目だぞ。ちゃんと起きなさい。」
目を再び閉じ様とする俺に被ってる布団を陽介が捲り上げる。
捲った時にフワリと風が出てその風が何も被ってない俺の身体の温もりを奪う。
さ、寒いから捲らないで…!
「さ、寒い…。起きるから止めて…!」
「ん、良し。」
俺から捲った布団を畳ながら渋々起き上がる俺を見て陽介は満足気に笑う。
本当朝くらいもう少しゆっくり寝かせてくれたら良いのに。
今日は大学も休み何だし…。
って言うか今何時…?
時間を確認したくて寝惚けたままの頭を動かしながら手探りで携帯を探す。
そして手に携帯の感触を感じれば携帯を開けて時間を確認する。
時間は丁度十時を回った頃だった。
「十時…。」
「郁、今日は大学休みだっただろ?自然に起きるの待ってたけど起きなかったから起こした。起こさない方が良かった?」
「駄目、起こして…。」
畳んだ布団をベットの隅に置いて、俺が寝るベットの端に座ればギシリ、とベットが軋んだ。
…って言うか、俺は大学休みだけど陽介今日仕事じゃなかったっけ…?
「ね、陽介仕事は良いの…?」
「ん?今日は遅くなるって言ってるから平気。折角の郁の休み何だから少しでも一緒に居たいだろ?ほら、こっちおいで。」
「…職権乱用。」
腕を掴み自分の方へと陽介は引けば陽介に抱き締められる。
陽介は都内にある美容院の店長だ。
だから店長の名前を利用して仕事を遅らす事が有る。
いや、有り難いんだけどね。
有り難いんだけどこれってお店の人達には迷惑掛かってないのかな…。
でも俺も陽介と離れたくなくて陽介の背中に手を回した。
「…本当素直じゃないな、郁は。」
「素直じゃなくて悪かったな。」
口元を釣り上げてニヤリ、と陽介は笑う。
そして陽介に顎を持ち上げられれば自然と陽介を見上げる形になって俺は陽介をそのまま見詰める。
陽介も満足気に先程とは違う笑みを浮かべれば俺と陽介の唇が重なった。
唇は直ぐに離れず、一秒、二秒…と時間が積み重なっていく。
別にこれと言った事はないけれど、只お互いの唇が重なってるだけ。
だけど不意に陽介が唇を離せば何かを悔やむ様な声色で口を開いた。
「…あー、やっぱり早く起こせば良かった。」
「何で?」
「残念な事にそろそろ出ないといけないんだよ。」
「…そっか。気を付けてね。」
背中に回した手に力を込めて陽介を抱き締める。
俺は大学、陽介は美容院が有るから普段からまともに会えず離れるのは寂しい。
休みだって擦れ違いが多いから滅多に被る事もなくて寂しいのは慣れっこだけどやっぱり離れたくなかった。
「…郁。」
「陽介、寂しいよ。本当は行って欲しくない。」
俺の頬に涙が伝う。
頬に伝った涙を陽介は脱ぐってくれるけど涙は次から次へと溢れて来て陽介の指を濡らす。
離れたくないよ。
「泣くなって。…大丈夫、今日は早く帰るから。」
「うっ…う。ごめん、迷惑かけて…。」
「迷惑じゃない。郁が気にする事じゃないから。」
よしよし、と子供をあやす様に俺の頭を撫でれば陽介が俺を抱き締める腕の力も強くなる。
そして一通り泣いて俺が落ち着けば陽介は笑ってベットから降りた。
「…もう行くの?」
「流石に行かないと宏樹に怒られるから。」
下から見上げる俺に陽介は苦笑しながら言う。
宏樹さんは確か陽介と同期の人で俺も会った事はあるけどあの人はあんまり怒るイメージは無いんだけどな。
陽介、そんなに宏樹さんを怒らす事してるの…?
「じゃ、行ってくる。」
「気を付けてね。行ってらっしゃい。」
「あぁ。大丈夫だって、直ぐに帰るから。」
寝癖で乱れた髪を更に乱す様にわしゃわしゃと力強く陽介は俺の頭を撫でれば楽し気に笑う。
別に気にする事じゃいけど笑う事無いのにー…。
「陽介…!」
「悪い悪い。じゃ、行って来るな。」
俺の頭から手を離せば陽介は俺に背を向けて玄関へと向かう。
でもその途中で突然振り替えれば俺の所へと戻って来る。
どうしたんだろ、忘れものかな?
「どうしたの?」
「あっぶな。すっかり忘れてた。」
「何が?」
「行ってきますのキス。」
「…馬鹿。」
「へへっ。」
真顔で帰って来るから何かと思いきやキス、とか…。
別に帰って来てからでも出来るのに。
「な、キスして良い?」
「どうせ嫌って言ってもするんでしょ?」
「勿論。ってか本当は郁だってしたい癖に。」
「う…煩い。ほら、するなら早く…!」
「はいはあ。…じゃあ、行ってきます。」
「行ってらっしゃい…。」
図星を突かれて誤魔化す様に慌てて強要すれば唇に感触。
さっきのキスとは違って一瞬触れるだけのキスだったけど陽介は満足気に笑って俺に背を向ける。
何度も交わした言葉にも内心笑いつつも俺は笑って陽介を見送った。
...The End
「んっ…ん、うん…?」
突然差し込む朝の日差し。
恋人の陽介さんがカーテンを開けたんだろうけど…。
突然起こされた俺にとっちゃ眩しいでしかなかった。
本当はもう少し寝たかったんだけどな…。
…眠い。
外から鳥…雀の鳴き声が聞こえた。
三話題で一週間バトン
No.6 貴方と一緒
「おはよ、郁。良く眠れた?」
にこりと笑って陽介が俺の頭を撫でる。
俺の頭を撫でる陽介の手が心地良い。
その心地良さに一度開いた目も閉じてしまいそうだ。
「こら、寝ちゃ駄目だぞ。ちゃんと起きなさい。」
目を再び閉じ様とする俺に被ってる布団を陽介が捲り上げる。
捲った時にフワリと風が出てその風が何も被ってない俺の身体の温もりを奪う。
さ、寒いから捲らないで…!
「さ、寒い…。起きるから止めて…!」
「ん、良し。」
俺から捲った布団を畳ながら渋々起き上がる俺を見て陽介は満足気に笑う。
本当朝くらいもう少しゆっくり寝かせてくれたら良いのに。
今日は大学も休み何だし…。
って言うか今何時…?
時間を確認したくて寝惚けたままの頭を動かしながら手探りで携帯を探す。
そして手に携帯の感触を感じれば携帯を開けて時間を確認する。
時間は丁度十時を回った頃だった。
「十時…。」
「郁、今日は大学休みだっただろ?自然に起きるの待ってたけど起きなかったから起こした。起こさない方が良かった?」
「駄目、起こして…。」
畳んだ布団をベットの隅に置いて、俺が寝るベットの端に座ればギシリ、とベットが軋んだ。
…って言うか、俺は大学休みだけど陽介今日仕事じゃなかったっけ…?
「ね、陽介仕事は良いの…?」
「ん?今日は遅くなるって言ってるから平気。折角の郁の休み何だから少しでも一緒に居たいだろ?ほら、こっちおいで。」
「…職権乱用。」
腕を掴み自分の方へと陽介は引けば陽介に抱き締められる。
陽介は都内にある美容院の店長だ。
だから店長の名前を利用して仕事を遅らす事が有る。
いや、有り難いんだけどね。
有り難いんだけどこれってお店の人達には迷惑掛かってないのかな…。
でも俺も陽介と離れたくなくて陽介の背中に手を回した。
「…本当素直じゃないな、郁は。」
「素直じゃなくて悪かったな。」
口元を釣り上げてニヤリ、と陽介は笑う。
そして陽介に顎を持ち上げられれば自然と陽介を見上げる形になって俺は陽介をそのまま見詰める。
陽介も満足気に先程とは違う笑みを浮かべれば俺と陽介の唇が重なった。
唇は直ぐに離れず、一秒、二秒…と時間が積み重なっていく。
別にこれと言った事はないけれど、只お互いの唇が重なってるだけ。
だけど不意に陽介が唇を離せば何かを悔やむ様な声色で口を開いた。
「…あー、やっぱり早く起こせば良かった。」
「何で?」
「残念な事にそろそろ出ないといけないんだよ。」
「…そっか。気を付けてね。」
背中に回した手に力を込めて陽介を抱き締める。
俺は大学、陽介は美容院が有るから普段からまともに会えず離れるのは寂しい。
休みだって擦れ違いが多いから滅多に被る事もなくて寂しいのは慣れっこだけどやっぱり離れたくなかった。
「…郁。」
「陽介、寂しいよ。本当は行って欲しくない。」
俺の頬に涙が伝う。
頬に伝った涙を陽介は脱ぐってくれるけど涙は次から次へと溢れて来て陽介の指を濡らす。
離れたくないよ。
「泣くなって。…大丈夫、今日は早く帰るから。」
「うっ…う。ごめん、迷惑かけて…。」
「迷惑じゃない。郁が気にする事じゃないから。」
よしよし、と子供をあやす様に俺の頭を撫でれば陽介が俺を抱き締める腕の力も強くなる。
そして一通り泣いて俺が落ち着けば陽介は笑ってベットから降りた。
「…もう行くの?」
「流石に行かないと宏樹に怒られるから。」
下から見上げる俺に陽介は苦笑しながら言う。
宏樹さんは確か陽介と同期の人で俺も会った事はあるけどあの人はあんまり怒るイメージは無いんだけどな。
陽介、そんなに宏樹さんを怒らす事してるの…?
「じゃ、行ってくる。」
「気を付けてね。行ってらっしゃい。」
「あぁ。大丈夫だって、直ぐに帰るから。」
寝癖で乱れた髪を更に乱す様にわしゃわしゃと力強く陽介は俺の頭を撫でれば楽し気に笑う。
別に気にする事じゃいけど笑う事無いのにー…。
「陽介…!」
「悪い悪い。じゃ、行って来るな。」
俺の頭から手を離せば陽介は俺に背を向けて玄関へと向かう。
でもその途中で突然振り替えれば俺の所へと戻って来る。
どうしたんだろ、忘れものかな?
「どうしたの?」
「あっぶな。すっかり忘れてた。」
「何が?」
「行ってきますのキス。」
「…馬鹿。」
「へへっ。」
真顔で帰って来るから何かと思いきやキス、とか…。
別に帰って来てからでも出来るのに。
「な、キスして良い?」
「どうせ嫌って言ってもするんでしょ?」
「勿論。ってか本当は郁だってしたい癖に。」
「う…煩い。ほら、するなら早く…!」
「はいはあ。…じゃあ、行ってきます。」
「行ってらっしゃい…。」
図星を突かれて誤魔化す様に慌てて強要すれば唇に感触。
さっきのキスとは違って一瞬触れるだけのキスだったけど陽介は満足気に笑って俺に背を向ける。
何度も交わした言葉にも内心笑いつつも俺は笑って陽介を見送った。
...The End
あとがき
No.5から間が空きましたが気にしてはいけませんよ、仕様ですから(違)
本当はまるまん本編の陽介が遅れた理由を!って思ったんですが無理でした…|||OTL
因みにこの二人はこれでもか!って位に甘くいちゃついて欲しいものですな(笑)
拍手有り難う御座いました。
2012.04.11
- 涙
- 鳥
- 忘れもの