「相変わらずこの学校の王子様は人気やなぁ。」

東京では珍しい、けれどこの高校生活ですっかり聞き慣れた関西弁が俺の耳に届いた。



関西弁の友人



「そうか?」

「えー?あれやで、あれ。」

窓の外を見るこいつに俺は生返事を返す。
自分の目線の先を指差すと、そこには一人の男子の周りに女子が群がっている光景だ。

「マジすげぇよなぁ、あれ。」

「もう俺は見飽きたけどな。」

こいつは俺が高校に入学後位に、大阪から来た編入生。
父親の仕事の都合で編入して来て、こいつが話す関西弁はこの東京では酷く浮いたのを覚えてる。
そして大阪特有のあのノリやボケもクラスの連中は今でも付いていけないのか、こいつは一人でいることが多いのだ。
俺は初対面の時こいつに全く興味なかったし、仲良くする気もなかった。
けど授業で言葉を交わすことが何度か有って、その時に俺はこいつに気に入られたらしい。
その日以降からこいつはずっと俺と一緒にいる。
別に特別にこいつみたいにノリとかじゃなくて、適当にあしらってるだけ何だけど。
今だってそうだ。
適当に返事を返しているのにも関わらず、未だ話を続けるんだからな。
…窓の外の光景はこの学校では見慣れた光景。
女子に囲まれるあいつはこの学校の王子様的存在で、気付けば周りに女子がいる。
俺はあいつが一人で居る所を一度見たことがなく、寧ろ在学中に見れるのか?というレベルだ。

「顔だけであんなんやもんなぁ。すげぇよなぁ。」

「…ああゆうのになりたいのか。」

「んな訳ないやろ。あれに群がってる女は皆あれの顔やし。俺は顔やのうて中身重視やし。」

…へぇ、何か意外だった。
こいつはてっきり外見で決めると思ってたんだが。
そうすればこいつが俺の方を真面目な表情一言。

「それに…、俺はあれよりお前がええ。お前だけでええんや。」

「…!」

まさかこいつからこんな台詞が聞くとは思わなくて、俺は思わず視線を逸らす。
普段からノリやボケで接して来るこいつの態度や言葉に、反応した俺が悔しい。
不覚過ぎる…。
視線をちらりと戻せばニヤニヤと笑うこいつと目が合った。

(あ、何や何や。照れたんか?)

(う、るさい!!!)

...The End

あとがき


この後あとがきを書き換えました(2022.10.10)

外見よりも中身で選ぶならお前が良い、って言う子が書きたかっただけ。

そしてそれに反応する子と。

普段そう言うのは真面目ぶって言わない(言えない)のでいざ言われると照れちゃう子。

そんなやりとりが書きたかった、のに…な。


2011.06.24


修正・加筆:2020.10.10

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