「やっぱり双子ねえ」
「…は?」
「こうしてよく見ると、碧くんは紅くんに本当によく似てるわぁ」
収録前。セットされた髪型を整えながら、顔馴染みのスタイリストが何気なく漏らした。
「…そんなに…似て、ますか…?」
「ええ。顔立ちは勿論だけど、雰囲気もどことなく」
やっぱり双子なのね。そう言って笑った彼女に、鏡越しに笑いかけながら、「似てる」ってだけじゃ意味がないんだ、と心の中で思った。
それは「同じ」じゃないだろう、と。
********
収録も無事終わり、用意された楽屋の中で、俺達は思い思いの時間を過ごしていた。
携帯を弄ることにも飽き、手持ちぶさたになった俺は、雑誌を読み耽っている紅の横顔に何気なく目をやった。そして、紅の頭から顎の先を目でゆっくりと辿る。
俺より長い睫毛が落とす影、色の白い肌にかかる髪の毛。それの柔らかそうな質感。あの歌声を紡ぐ、薄い唇。
こうしてよく見ればよく見るほど、お互いの違いが嫌と言う程分かる。
睫毛の長さも、肌の白さも、筋肉のつき方も、声も、考え方も、お互いに寄せる想いだって、全然違う。所詮は似てるというだけで、所詮は。
ーーーー碧くんは紅くんに本当によく似てるわぁ
(似てるだけじゃ、駄目、なんだ)
所詮俺達は、¨双子¨で。所詮¨兄弟¨で。¨恋人¨と謂うには近すぎて、¨一つ¨というには遠すぎる。この二つの固体の間にある壁が全てを阻む。
元は一つだった、お互いが全てだったのに。言葉とか行動とか、そんなもので示さなきゃ相手に何も伝わらない関係になってしまうぐらいならいっそ、そのままで良かった。
こんなもどかしい関係がいつまで続くというのだろう。一番近いようで何より遠い、この関係が。
なあ、紅。俺はこんなにも、苦しくて苦しくて堪らないよ。でもその苦しみも、今抱えているこの胸の痛みだって、お前に届くことはないんだろう。
…嗚呼、なんて遠く離れてしまったんだろう俺達は。
遠い横顔
(ただ俺は、この想いをお前に伝える術が、欲しい)
「…は?」
「こうしてよく見ると、碧くんは紅くんに本当によく似てるわぁ」
収録前。セットされた髪型を整えながら、顔馴染みのスタイリストが何気なく漏らした。
「…そんなに…似て、ますか…?」
「ええ。顔立ちは勿論だけど、雰囲気もどことなく」
やっぱり双子なのね。そう言って笑った彼女に、鏡越しに笑いかけながら、「似てる」ってだけじゃ意味がないんだ、と心の中で思った。
それは「同じ」じゃないだろう、と。
********
収録も無事終わり、用意された楽屋の中で、俺達は思い思いの時間を過ごしていた。
携帯を弄ることにも飽き、手持ちぶさたになった俺は、雑誌を読み耽っている紅の横顔に何気なく目をやった。そして、紅の頭から顎の先を目でゆっくりと辿る。
俺より長い睫毛が落とす影、色の白い肌にかかる髪の毛。それの柔らかそうな質感。あの歌声を紡ぐ、薄い唇。
こうしてよく見ればよく見るほど、お互いの違いが嫌と言う程分かる。
睫毛の長さも、肌の白さも、筋肉のつき方も、声も、考え方も、お互いに寄せる想いだって、全然違う。所詮は似てるというだけで、所詮は。
ーーーー碧くんは紅くんに本当によく似てるわぁ
(似てるだけじゃ、駄目、なんだ)
所詮俺達は、¨双子¨で。所詮¨兄弟¨で。¨恋人¨と謂うには近すぎて、¨一つ¨というには遠すぎる。この二つの固体の間にある壁が全てを阻む。
元は一つだった、お互いが全てだったのに。言葉とか行動とか、そんなもので示さなきゃ相手に何も伝わらない関係になってしまうぐらいならいっそ、そのままで良かった。
こんなもどかしい関係がいつまで続くというのだろう。一番近いようで何より遠い、この関係が。
なあ、紅。俺はこんなにも、苦しくて苦しくて堪らないよ。でもその苦しみも、今抱えているこの胸の痛みだって、お前に届くことはないんだろう。
…嗚呼、なんて遠く離れてしまったんだろう俺達は。
遠い横顔
(ただ俺は、この想いをお前に伝える術が、欲しい)
あとがき
君と描き合い隊様にて三川 様から頂きました、碧×紅です。
凄く碧の気持ちが伝わってきて呼んだ時はおぉぉぉ…!と鳥肌が立ってしまう程…!
しかも私が描いたイメージ通りでびっくりしました…!!!
三川 様、今回は本当に有り難う御座いました!
2011.05.08/春日 輝