隣

ねえ、センセ。

心の中で呼びかける。応えなんて返るはずもなく、ただ一方通行なまま。

ふと廊下の向こうを行き過ぎる影。センセは一人のはずなのに、何故かその隣にもう一つ人影が見えた気がして、アタシはごしごしと目を擦った。
もう一度視線を向ければ、一人歩くセンセの背中は小さくなっていた。

「……イヤになるわね」

どうしてあんな幻を見てしまったの?
自分自身に問いかける。
だって――それはまるで彼の隣にはあの子がいるべきだと言っているようなもの。認められるわけがなかった。

ねえ、センセ。
いずれアナタの隣はアタシの指定席になる。そうでしょ?

もう見えなくなってしまった背中に呼びかける。
ちくりと胸を刺す痛みなんか知らない。認めない。

(絶対に譲らないんだから――)

アタシは負けない。負けるはずがない。

だから。
ねえ、センセ。
覚悟しててね?

END

あとがき


和泉 様からTwitterで募集されてたのでクリアでリクエストして書いて頂きました!

和泉 様が書くクリアは本当に強気で棗には負けない闘争心が出てて格好良い…!

何だろう、親として彼女の個性を出せてない気がしてきた、ぞ…|||OTL


和泉 様、今回は本当に有り難う御座いました!


2012.03.06/春日 輝

↑
Top