"もう少しさ、我が侭になっても良いと思うんだけど…?"

保健室で溢した、英介の一言が俺の中で引っ掛かった。
あの言葉の意味は何だったんだろう。
我が侭になるって、どういう事…?



act*4



本当はその言葉の意味を知りたかったけど、英介に聞いたら"何でもない"、って言われて運悪くチャイムも鳴った。
結局それからは英介に会う事も、話す機会も無くなって何も得れず今に至るんだけど。
でも、これが碧の事ならば我が侭になるなんて無理だよ…。
俺一人がこんな恋愛感情を抱いてしまっただけだから。
俺が好きになってはいけない人を好きになったのだから我が侭何て言えない…。

「…あおい、」

同じ血を分けた俺の双子の弟。
碧は俺の事どう思ってる?
…何度考えたって碧は俺の事を頼りない兄としか見てないのだろうけど。

「本当どうして好きになっちゃったかなー…。」

自分自身に呆れを通り越して笑いすら込み上げて来れば俺は小さく笑う。
誰にも言えないこの恋。
行き場のないこの気持ちを隠すにはもう辛くて、少しの刺激を与えただけでもそこから何もかもが漏れてしまいそうで。
でも伝える事は絶対に出来ないからその気持ちを押し殺す。
結局はその繰り返し何だけど。

「多分、俺が碧を諦める事何て無いんだろうな。きっと死ぬ迄ずっと俺は弟(碧)に恋したままなんだ。」

近くに居るのに繋がる事が出来ない俺の恋。
この血が、関係が、俺の邪魔をする。

「…駄目だって事は分かってるんだけど、諦める何て出来ないよ…。」

好き。
碧が好き何だ。
諦める事何て出来ない。
…矛盾、してるのは分かってるけど。

「本当諦め悪いよね、俺。」

諦めれずズルズルと引き摺る自分自身に再び呆れて苦笑する。
まぁ、改めて考えたらこの感情は小さい頃からだから今更、と言えば今更にもなるけどな…。

「本当もし碧がこんな感情持ってるの知ったら呆れられるだろうなー…。」

何となくそれを知った碧の表情がイメージ出来て俺は小さく笑う。
そして自宅の玄関を開いて中へと入る。

「ふふ。…只今ー。…あれ、碧?」

何時もならば直ぐに"お帰り"、と返って来る碧の声。
それなのに今日は返って来ない。
思わず俺は足元の靴を見る。
そこにはちゃんと碧の靴は有って俺は少し安心した。
でも中に居るのに返事が無いってどうなってるんだろ…。

「…碧ー?居るー?」

靴を脱いで部屋の中へと入る。
急ぎ足で一つ一つ部屋を探せば碧は俺達の部屋のベットで眠って居た。

「碧…。良かった、居た…。」

すやすやと規則正しい寝息を発てながらベットで眠る碧。
普段碧が夕方に寝る事は無くて、それが珍しくて何だか拍子抜けしてしまう。
今迄何か有ったら…、と心配したから尚更だ。
でも…まぁ、碧が無事で良かった。

「…良かった。」

ふぅ、と肩から安堵の溜め息を吐けば碧の顔を覗き込む。
目を覚ます様子はない。
碧の寝顔何て久々に見た。
今の生活に入ってから俺が起きる前には起きてる(寧ろ俺が起こされてる…)から随分久々な気がする。
小さい頃は俺が早い時も有ったけれど、今じゃ碧には迷惑をかけてばっかりだ。

「…何時も、有り難う。」

呟く様にして碧の頭に手を伸ばす。
普段から人に撫でられるのを嫌がる碧だから何だか不思議な感覚だった。
サラリと碧の髪が俺の手から滑り落ちる。
触り心地の良い碧の髪は良く周りからも触られてたっけ。
それが原因で頭を触られるのが嫌らしいけど。
でも頭と髪って…少し違う様な…?
まぁ、そんな所も愛しい。

「あおい、…すき。」

目を閉じて、眠る碧に触れるだけのキス。
慌てて直ぐに顔を外したけど幸いにも碧は起きなくて安心した。
でも自分のした事が恥ずかしくて心臓がドキドキと脈打つ。
好き。
碧が好きで好きで堪らない。

「好きだよ。」

そう一言言って段々恥ずかしくて堪らなくなった俺は逃げる様にしてベットから離れ様としたけど不意に腕を捕まれる。
捕まれた腕を見て見ればそこには目を覚ました碧が俺の方を見て居た。

「え…。」

加速する、感情
(動き始めた関係)

To Be Continued...

あとがき


冒頭と終わりが書きたかっただけ(…)

#3を書き終えた後位にこのお話の末が出てきてやっと書けました…!

真ん中の独白はちょっとくどいかなぁ…多分又書き直すかも(汗)

どうしても今まで紅と碧のきっかけが無かったので書けて満足です(笑/…)

そして今後の展開を書くのももっと楽しみです(黙れ)

↑
Top