朝。
通学して{{name_girl}}の上履きが無い事何て当たり前。
その後は女子何人かに呼び出されるのも当たり前になって居た。
勿論、今日も例外無くそんな事が{{name_girl}}の身に降り注ぐ。
8. あなたを愛してみたかった
本来は{{name_girl}}が"特別"、では無かったら何も無かったかも知れない。
だって彼女は男子テニスの部長、跡部 景吾の彼女なのだから。
男子テニス部は女子にとってアイドル的な存在だ。
常にコートには大半を占める女子と部員で溢れかえっている。
きっと{{name_girl}}があの場に行けば今以上の事が行われるのは{{name_girl}}自身も分かって居て、あの場所に踏み込んだ事は無い。
そして{{name_girl}}の彼、跡部もきっと彼女の身に起きて居る事は薄々気付いて居る筈だ。
お互い何も言わず、気付かぬフリをして居るだけ。
それでも、彼女と彼は別れる事は無い。
* * *
「…っ!?」
空からぱしゃり、と水が{{name_girl}}に落ちた。
見上げれば雨では無く、バケツを持ち顔を出してクスクスと笑う女子達の姿が。
その事を{{name_girl}}は知るとそのまま視線を下へと落とし、女子達から死角になる場所へと向かう。
そしてその場所に着けば、濡れて額に張り付いた前髪を掻き分ける。
「…参ったな…ここまでエスカレートしちゃうか…。」
濡れた髪と身体を拭こうと持って居たハンカチを取り出す。
幸いな事にハンカチは濡れて居ない。
それで濡れた顔と髪をある程度拭く。
タオルでは無い為、ハンカチは直ぐに水分を含み濡れた。
「…(今景吾君には会いたく無い…)」
内心そう思いながら濡れたハンカチを軽く絞り、その後に髪の毛も所々絞り水分を落とす。
今{{name_girl}}の状態で会えばきっと事態は悪化するだろう。
それを避ける為に{{name_girl}}はその場を立ち去ろうとするが事は思い通りに進む訳が無かった。
{{name_girl}}が方向転換した時には既に跡部は立っており、表情も驚いて居る様だ。
「景吾…、君…。」
「{{name_girl}}…。ちょっと来い。」
「え、あ、ちょ…景吾君…?」
{{name_girl}}の腕を掴み、何も言わずにその場から離れて場所を移動する。
そして着いた場所は男子テニス部の更衣室。
更衣室に並んで居るロッカーから自分のものと思われるロッカーを開く。
その中からタオルを一枚取り出せば{{name_girl}}に被せた。
「…?」
「ちゃんと拭かないと風邪引くぞ。」
タオルを被せられ訳が分からず何もしない{{name_girl}}に対して跡部はそう言うと被せたタオルで{{name_girl}}の髪を拭き始める。
そしてある程度拭けた所で跡部は話を切り出す。
「何時もこんな風なのか?」
「何が?」
「…女子達の、だ。」
「ううん、違うよ。これは今日初めて。」
{{name_girl}}が首を横に振り否定すれば、跡部が溜息を吐く。
そして何かを話そうとして口を開けようとした瞬間、{{name_girl}}の声が割って入る。
「別れないよ。私はこの事を分かった上であなたを愛したかったの。あの跡部景吾が私にしか見せないモノを見たいの。」
瞳を伏せて{{name_girl}}は跡部に近付けば背中に手を回す。
背中に手を回された跡部も又、同じ様に{{name_girl}}の背中に手を回し抱き締め返すのだった。
...The End
あとがき
Belle Vous!! 様に捧げます、跡部が似非臭いですが|||OTL
文末の跡部が言おうとした台詞は皆様にお任せ。
別れ話だったかも知れないし、そうでは無いかも知れません。
2009.07.15/春日 輝
追記
企画サイト様が長い間更新されてないので公開させて頂きました。
6年前の作品だけど未だ普通に見れてしかも気に入ってます、この話(笑)
2015.03.23