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No.6 水色

アイツが描く青空は綺麗で、俺も何度か描いた事は有るけれどアイツの描く青空には勝てない。
水色の絵の具を巧みに使いあの空を生み出す。
俺も同じ空を描いて居るのにアイツはどうしたらあんな空を描けるのだろうか。
外見はチャラチャラ、中身はヘラヘラとしてて絵とは縁が無さそうな癖に筆を握らせれば驚かされるばかり。
俺が努力しても出来ない事も簡単にこなすアイツは本当に何なんだろう。
そんなアイツを見ていれば俺の努力は一体何になるのだろうとすら思えて来る。

「…本当に上手いよな、お前は。」

アイツの絵を横から覗き込む。
それは相変わらず綺麗な青空が描かれて居て調子は良いようだ。

「お褒め頂きどーも。って言うキミも上手いけど?キミらしい良い絵。」

「っ…!」

まさか誉められるとは思って居なかった。
顔に熱が集まり熱くなっていく。
だがその反面俺の絵を誉めたアイツの表情は何処か寂しげに笑っている。

「羨ましいよ。キミはキミの絵が有るんだもの。」

「そんな事ないだろ、お前もお前の絵が有ると思うけど。青空とかそうだろ。」

アイツの絵はアイツなりの絵が出てると思う。
少なくとも、俺はそう信じているのだ。

「俺の青空は俺の心が清らかだからだよ。」

「寝言は寝てから言え、馬鹿。」

あはは、とアイツは何時もの様に笑うもやはり何処か寂しげで…。
この青空を描く主の悩みは青空の様に明白にはならないのだろうか。

...The End

あとがき


才能有る子は自分らしい絵が描けない事に悩むお話。


2010.12.10

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